ロマネスク様式

Romanesque style。 10世紀末から13世紀にかけて西欧全土に広まった建築様式。聖堂は一般に「ラテン十字形」の「三廊 バシリカ 形式」をもち、その前の時代の平らな木造天井は、石造の「半円筒ヴォールト」や「交差ヴォールト」に変わる。
その結果、「半円形アーチ」がロマネスク建築の基本要素として、扉口・窓・アーキヴォールト・壁面石組・アーケード など、至るところに現れる。「石造 ヴォールト」の荷重を支えるために、建物の壁は重厚・堅固で窓は少なく、従って堂内は暗い。更に、側廊の上に「トリビューン」を設け、外壁に「バットレス」を附して横力を支えることも多い。東端の「アプス」は半円形で、その床下には「クリプト」がつくられる。ノルマンディ地方やイギリスの聖堂には、最初の「リブヴォールト」が使用され、既にゴシックへの移行段階を示している例もある。尚、祭壇は基本東向きであり、聖堂の ファサード は西側となる。また、スリット窓の内側に「エブラズマン」と呼ばれる隅切りを施し、採光しやすく工夫している。

コンポジット式オーダー

Composite order。「混在式」を意味し、「ローマ式オーダー」ともいう。柱頭におけるイオニア式の顕著な渦巻装飾とコリント式のアカンサスとを組み合わせた、最も装飾的なものである。柱身は フルーティング(溝彫り)を施されこともあれば、平滑であることもある。

トスカーナ式オーダー

Tuscan order。まさに無装飾な「エンタブレチュア」以外はドリス式に似ている。柱身はまったく フルーティング(溝彫り)が施されない。

コリント式オーダー

Corinthian order。 鐘状の柱頭を有し、そこから8つの「アカンサス」の茎が質素な渦巻装飾を支えるために突き出している。柱身は一般的に フルーティング(溝彫り)が施される。

イオニア式オーダー

Ionic order。小アジアに由来し、東方に起源をもつ オーダー。細身の円柱を有し、ドリス式より軽快かつ優雅で、概して フルーティング(溝彫り)が施される。柱頭の渦巻装飾によって明らかに識別される。

ドリス式オーダー

Doric order。最も期限の古い オーダー で、円柱に礎盤(柱基)を持たない点が独特。柱頭は無装飾で、柱身には フルーティング(溝彫り)が施される。

オーダー

order。建築における「オーダー」は、古典主義建築の基本単位となる「礎盤(柱基)・柱身・柱頭」からなる柱と、水平梁である「エンタブレチャー」で構成され、それらの部材相互の秩序ある組合せのことをいう。
ギリシャ人は三つのオーダー(ドリス式・イオニア式・コリント式)を容認した。ローマ人はトスカーナ式とコンポジット式を付け加え、ギリシャのオーダーについても修正したかたちで使用した。