内法貫
「和様」の建物にあって、「内法長押」の後方にある「貫」のこと。「内法貫」が横力に対する構造的役割を担い、「内法長押」は化粧材的な扱いと考えてよい。室町時代には、「内法貫」は壁の中に塗り込まれるようになり、開口部を広げるため、「柱」を抜く必要がおこると、成(せい)のある広幅板に変える。東山殿東求堂がその違例である。
卯立
①近世民家において建物の両側に設けられた瓦葺等の小屋根付き袖壁。本来は身分の象徴を兼ねていたが、明治以降は単なる装飾と化す。防火を兼ねている場合も多い。
②室町時代の民家とくに町屋において妻側の小屋を屋根より高く突出して小屋根を付けたもの。身分の象徴であった。
入母屋造
「母屋」の切妻屋根に、下屋である「庇」が回された屋根形式のこと。即ち「母屋が内に入った屋根」のことを意味する。