明治時代の代表的建築家。工学寮造家学科第一回卒。コンドル門下生。東京駅に代表される、赤レンガに白い御影石の帯のパターンは「辰野式建築」と呼ばれた。東京帝大工科大学長退官後、1905年に 片岡安 と共に、大阪で辰野片岡建築事務所を開設。作品には、日本銀行本店、日本銀行大阪支店、両国国技館、東京駅、大阪市中央公会堂実施設計、南海電鉄浜寺公園駅、旧大浜公園・潮湯別館(現天見温泉/南天苑)などがある。
曽禰達蔵
江戸生まれ。コンドル門下一期生。後に、中條精一郎(1868~1936)と共に、曽禰中條建築事務所を開設。作品には、丸の内の三菱3、4、6、7号館、慶應義塾大学図書館、旧日本郵便神戸支店ビル、明治屋ビル(大阪)、岩崎家熱海別邸などがある。
片山東熊
明治時代の代表的宮廷建築家。米沢市生まれ。工部大学興造家学科第1回卒業性。代表作は、奈良国立博物館、京都国立博物館、東京国立博物館表慶館、旧東宮御所(赤阪離宮)など、典型的な明治様式建築がある。
ジョサイア・コンドル
近代化に向け、明治政府が迎えたお雇い外国人。工部省工作局技術官。
日本人建築化の育成に努めた。作品には、上野博物館、鹿鳴館、ニコライ聖堂、三菱一号館、湯島岩崎邸、三井倶楽部などがある。
ダニエル・クロスビー・グリーン
米国人の宣教師・牧師・建築家。米国マサチューセッツ州生まれ。ヘボン・フルベッキとともに新薬聖書翻訳に取り組む。後に同志社英学校(現同志社大学)で教師を務める。作品には、摂津第一公堂(現日本基督教団神戸教会)、旧同志社英学校(現同志社大学)彰栄館・礼拝堂・有終館などがある。
トーマス・ウォートルス
英国の土木技術師。幕末期、グラバーの紹介で薩摩藩の鹿児島紡績所などの工事に携わり、長崎に行きグラバーの元で働く。1868年貨幣司に雇用され、大倉省・工部省に在籍。デザインは、古典主義建築(ジョージアン様式)をベースとする折衷的建築。作品には、造幣寮応接室(泉布観)、旧造幣寮鋳造所正面玄関、銀座煉瓦街の建設(ホフマン窯の煉瓦工場を自ら築き、日本人を指導)などがある。
エドモン・オーギュスト・バスティアン
仏国シェルブール生まれ。船工・製図職工。横須賀製鉄所に勤務。富岡製糸場(国宝)の開業当初の主要な建造物の設計を担当する。現存する中でバスティアンが確実に設計したものは、繰糸所・東置繭所・西置繭所・蒸気釜所の4棟の身とされる。
立石清重
幕末から明治時代前期においての日本の大工棟梁・建築家。松本城下生まれ。擬洋風建築 の典型といわれる開智学校校舎(国宝)が代表作である。
テラゾ
terrazzo。人造石の一種で、メッシュを入れたモルタルを下塗りした上に、大理石・蛇紋岩・花崗岩などの粉砕粒に顔料・白セメントを練り混ぜたモルタルを塗り、硬化時を見はからって表面を研磨し、艶出しして仕上げたもの。
板石状に製作したものを「テラゾブロック」、平板状にしたものを「テラゾタイル」、現場で施工するものを「現場塗テラゾ」という。
テラコッタ
terracotta。元来「素焼き」の意。建築物の外装用、特にパラペ
ット・蛇腹・柱頭などの複雑な模様のある大型の粘土製品のこと。深
みのある赤褐色のものが多く、煉瓦より硬質である。