投掛け梁

小屋梁の一。梁間の中央付近(桁行方向)に通した敷梁に向かって、前後から架けて敷梁上で継ぐものをいう。

流造

神社本殿形式の一。切妻造で平入の前流れがやや長く延びて向拝となるもの。正面中央に板扉を設け、他の柱間を横羽目板張りとし、周りに勾欄付きの縁をめぐらして階段及び浜床を設ける。宇治上神社本殿はその最古例。

長屋門

近世武家や庄屋等の屋敷の門形式の一。横長建物の中央付近を通り抜けできるもので、門部分の主構造は桟梁を受ける冠木と二本の親柱で、二枚の門扉と潜り戸をつける。扉脇の部屋は家臣や下僕の居所・物置等とされる。


内陣

「金堂」・「本堂」建築の平面構成の大まかな変遷を述べておく。
先ず、法隆寺金堂は、内部に礼拝空間を持たず、礼拝者は内部に立ち入らないことが基本であった。南庭に据えられた「礼拝石」や「回廊」で仏事が行われていたものと考えられる。
それが、唐招提寺金堂のように、いわゆる「外陣」と呼ばれる吹き放しの「庇」空間で行われるようになる。これが第一段階のステップである。
次に、それでも手狭であるし、屋外空間であることの不便から、礼拝空間が「母屋(身舎)」の内に入り込んでいくようになる。その結果、「内陣」の機能が「北庇」の空間に移動し、「北孫庇」の空間が「後陣」と呼ばれるようになる。
さらに、礼拝人数の増加に伴い「外陣」を充実させるため、徐々にその奥行きが深くなり、また「内陣」においても儀式の多様化に合わせて「内々陣」を設けるなど、平面構成がより複雑なものに変化していくのである。