白井晟一

(しらいせいいち、1905~1983)
建築家
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モダニズム建築が主流の風潮に相反し、哲学的と称される精神性の高い重厚な建築をのこした。京都市生まれ。京都高等工芸学校図案科(現京都工芸繊維大学造形科学科)卒。担当教授は 本野精吾。建築の特徴は、象徴的な形態と光に対する独特の感性にあり、そこには合理的解法と形而上学的な表現の融合が見られる。「空間」を主題とするモダニズム建築の主流に迎合せず、むしろそれ以前の室単位の組み合わせや、陰影や素材によってもたらされる奥行感・象徴的造形・胎内感覚といった要素に置き、均質的空間とは別の可能性を切り開いたといわれる。作品には、旧秋ノ宮村役場(稲住温泉に移築)、稲住温泉・浮雲、原爆堂計画、善照寺本堂、親和銀行大波止支店、呉羽の舎、親和銀行本店、尻別山寮、茨城キリスト教大学サン・セバスチャン館・サンタ・キアラ館、ノアビル、親和銀行本店・懐霄館、渋谷区立松濤美術館、芹沢銈介美術館(石水館)、桂花の舎、雲伴居などがある。