American Renaissance。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、米国の公共建築で多く見られた建築様式で、仏国のエコール・デ・ボザールで学んだ米国人建築家が中心的な役割を果たしたことから「アメリカンボザール(American Beaux-arts)」とも呼ばれる。
その特徴は、欧州古典主義の復興様式に倣った荘厳かつ装飾的な建築であることや、欧州本家のそれと較べ建築の規模の大きさにある。代表例は、マッキム・ミード&ホワイト社が手掛けたボストン公共図書館やマンハッタン市庁舎、リード&ステムとワレン&ウェットの二社の共同設計であるニューヨークのグランド・セントラル駅舎が挙げられる。その影響を受けた日本の建築家には、横河民輔・野口孫市・岡田信一郎・渡邊節・村野藤吾 らがいるが、日本の作品は窓周りやアーチの取合いなどの細部意匠が、米国のそれと較べ緻密に抑えられているともいわれる。この様式は、形式美や統一感を重視したため、その思想は都市計画にも応用され、都市美運動にもつながっていった。
また、公共建築だけでなく個人宅にも採用され、ロードアイランド州ニューポートには、この様式の別荘群(アパート)が多数保存されている。尚、20世紀中葉には、F.L.ライトの系譜を継ぐモダニズム様式が主流となり、古典的な様式は時代遅れと見做されるようになる。
アメリカンルネサンス
(あめりかるねさんす)
西洋建築の様式・思潮
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