ピクチャレスク

(ぴくちゃれすく)
西洋建築の様式・思潮
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picturesque。元来は芸術・生活備品などにおいて、他の時代・環境・流行などの雰囲気を感じさせる美的な感覚またはその様式を指すが、建築では特に、18世紀後半の英国で起こって19世紀中頃まで全欧や米国で流行し、我が国では概ね明治年間に行われた建築思潮の一つ。
それまでの古典主義的な威厳・壮大といったような建築美の理想に対して、田園・民家・異国趣味・非対称などの美を尊重するもので、建物はヴェランダを持ち木骨構造をとる場合が多く、主として中産階級の住宅・別荘、宣教師館、教会堂などに用いられ、我が国でも造家棟梁として招聘されていたW.アンダーソンらが幾つかの設計例を残した。工学寮の煉瓦造の教師館(1877)がその一例である。