マニエリスム

(まにえりすむ)
西洋建築の様式・思潮
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Manērisme。一般に、美術や文芸の制作に当たって著しく既成の手法に依存して新鮮味を欠いていること。すなわち、軽蔑的な意味での「マンネリズム」のこと。イタリアの盛期ルネサンスとバロックの間の時期、すなわち1530~1600年頃の芸術様式。
建築では、D.ブラマンテによって完成された古典主義の段階と、G.ベルニーニによる動感豊かな表現の段階との間に位置する様式段階を指す。基本的には古典的な建築観の崩壊を意識しながら、しかも依然として古代のモティーフを採用してその空間的処理に工夫を凝らす。構造の論理の視覚化という正当な手段は捨てられ、イリュージョンの秩序が求められるなど、その現れ方は多様であるが、総じてN.ペブスナーのいう機智的なエレガンスを特徴とする。ミケランジェロ、G.ロマーノ、B.ペルッツィらの作品に見られるのがその例。