この「正堂(しょうどう)」と「礼堂(らいどう)」の「双堂」の形式が発展し、一つの大屋根に納められたのが、いわゆる「本堂」形式であると考えてよい。東大寺法華堂の場合は、大屋根を架ける技術がまだ未成熟であったのか、節約したためかは定かではない。
鎌倉以降、庶民のための新しい宗教である「浄土宗」・「浄土真宗」・「日蓮宗」などが勃興し、建物内に多くの人々が収容しなければならないという必然性から、礼拝空間である「外陣」の充実がはかられた。また「内陣」においても儀式の多様化に合わせて「内々陣」を設けるなど、時代と共に、平面構成がより複雑なものとなり、その規模も大きくなっていく。
その発展過程として、當麻寺の「曼荼羅堂」や、湖南の長寿寺・常楽寺・善水寺の「本堂」などに始まり、その後さまざまな例が数多く遺されていくことになる。
双堂
(ならびどう)
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