「二軒」の軒裏の構成は、軒桁から「地垂木」を差し出し、その鼻先を少し控えて「木負」を通し、それに溝を彫って「飛檐垂木」を落し込み挺出(ていしゅつ)する。さらに「飛檐垂木」の鼻先を少し控えて「茅負(かやおい)」という部材を通し、その上に「裏甲(うらごう)」と呼ばれる化粧材を据える。これが基本の形である。
「茅負」及び「裏甲」は、宮大工(社寺建築系)の呼び方で、数寄屋大工(住宅系)は、それらを「広小舞」及び「淀」と呼ぶ。
余談である。「裏甲」についてだが、鬱蒼と茂る杉林の中、階段上に見上げるようにして建つ「室生寺五重塔」の、その「裏甲」は、「胡粉」に着色されており、そのラインの重なりが、この塔の最大のチャームポイントとなっていることに気付いていただきたい。
木負
(きおい)
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