折置組

小屋梁の端部の納め方の一。柱の頂部に直接小屋梁を架し、その上に軒桁をかけるもの。古代から用いられてきた。その逆で、柱の頂部にまず桁を渡し、その上に小屋梁をのせる納め方を京呂組という。

鬼斗

斗の一。上下で45°食い違った肘木をうける斗で、通り肘木などの交わる隅肘木・隅尾垂木の先端などに置かれる。正方形で方斗より大きい。特殊な繰型がつけられる場合もあり、その下面が菊花形であるものを菊斗という。

鬼瓦

大棟または降り棟の端に雨仕舞と装飾をかねて用いられる瓦の総称。板でできたものは鬼板という。奈良時代には蓮華文や獣面などがあり、室町時代には角の生えた鬼面へと変化し盛行したのでこの名がある。民家では鬼面以外各種のものも用いられるが、やはり鬼瓦と称される。棟の両端に鴟尾や獅子口を置く事もある。

尾垂木

「二手先」「三手先」と組物を出すに従って、「丸桁(がんぎょう)」の支持が不安定となり、軒が下がる懸念が増すので「尾垂木」によって支えることが考案されたと見てもよいだろう。「尾垂木」は、柱芯を支点として、外側の軒の荷重と、内側の屋根の荷重を天秤のようにして、吊り合わせる役目を持ち、後世における「桔木(はねぎ)」によく似た役目をする部材である。
「禅宗様」では、「和様」より多くこの「尾垂木」を用いる。「桔尾垂木(はねおだるき)」の他に「折尾垂木(おりおだるき)」が加わる。また「尾垂木」の鼻先の上部に、「鎬(しのぎ)」と呼ばれる、将棋の駒のような山形の加工を施す。また、「尾垂木」の先端を、天狗の鼻のような形とすることから「天狗垂木(てんぐだるき)」とも呼ばれる。

大棟

屋根の頂上において水平に走る主要な棟のこと。屋根の頂点は瓦が連続せず雨水が入り込みやすい。その部分に平瓦の半分のものを積み重ね、上に丸瓦を置いて雨水が入るのを防ぐ。これを棟という。厚板で鞍箱形に作った大棟を箱棟という。

大壁

柱が表に現れない構造。和風木造建築の伝統的な工法は壁を柱と柱の間に納め、柱が外面に現れる真壁である。城郭建築や土蔵では、柱などにも藁を巻き付けて土を塗り、すべてを塗りこめる大壁である。