ロマネスク様式

(ろまねすくようしき)
西洋建築の様式・思潮
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Romanesque style。 10世紀末から13世紀にかけて西欧全土に広まった建築様式。聖堂は一般に「ラテン十字形」の「三廊 バシリカ 形式」をもち、その前の時代の平らな木造天井は、石造の「半円筒ヴォールト」や「交差ヴォールト」に変わる。
その結果、「半円形アーチ」がロマネスク建築の基本要素として、扉口・窓・アーキヴォールト・壁面石組・アーケード など、至るところに現れる。「石造 ヴォールト」の荷重を支えるために、建物の壁は重厚・堅固で窓は少なく、従って堂内は暗い。更に、側廊の上に「トリビューン」を設け、外壁に「バットレス」を附して横力を支えることも多い。東端の「アプス」は半円形で、その床下には「クリプト」がつくられる。ノルマンディ地方やイギリスの聖堂には、最初の「リブヴォールト」が使用され、既にゴシックへの移行段階を示している例もある。尚、祭壇は基本東向きであり、聖堂の ファサード は西側となる。また、スリット窓の内側に「エブラズマン」と呼ばれる隅切りを施し、採光しやすく工夫している。