厨子二階

(つしにかい)
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街路側の平入屋根の軒高を低く抑えた民家の、屋根裏部屋のことを「厨子二階」と称する。「中二階」と表記される場合もあるが、単に「つし」或いは「ずし」とも呼ばれたりもする。「厨子」以外に「図子」「辻」の漢字が当てられることもある。「虫籠窓(むしこまど)」を設け、物置・蚕室・使用人の寝間などに用いられた。
語源には、およそ二つの説がある。「寝殿造」で使われた身の回りの品々を収める「二階厨子(にかいずし)」という調度品があり、その形状の類似性に由来するという説と、「辻(つじ、ツムジの転)」の古語が「高い所」を意味することに由来するという説がある。前者の方の説明に合理性のあるようにも思えるが確証はない。