上代の「須弥壇」としては、「薬師寺金堂」内の白大理石のものや、「唐招提寺金堂」内の花崗岩壇上積格狭間(こうざま)入りのもの、そして木造では「東大寺法華堂」内の八角二重のものがよく知られている。
平安時代以降、仏堂にも木造木張りの床が多くなり、「須弥壇」も木造のものが多くなる。「勾欄」をめぐらすことが始まり、「格狭間(こうざま)」に意匠を凝らすものが現れる。「平等院鳳凰堂」内のものや、「中尊寺金色院金色堂」内のそれらは、最も意匠と美を凝らした代表例である。
「禅宗様」の「須弥壇」は、上と下の框(かまち)部分の間に、とても複雑な曲面をもつ繰型を上下に繰り返すのが特徴であり、その間の狭い部分に「透彫」や「薄肉彫」の彫刻が施される。「勾欄」には、「逆連」「握蓮」「蕨手」といった「禅宗様」独特の装飾が加えられる。
須弥壇
(しゅみだん)
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