辻本家住宅主屋
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庭から辻本家主屋北側を見る。
庭から辻本家主屋北側を見る。
長屋門から庭をはさんで主屋となる。主屋北側(表側)は、マヤ・土間・広敷・クチノマ・座敷となり、南側(裏側)はカマヤ・ダイドコ・ナンドという平面配置であった。2014年に行われた改修工事により、主屋の表側(北側)は建築当初の形式に復元され、裏側は現代の生活スタイルにあった住みやすい間取りに改変された。
式台を構えた玄関
式台を構えた玄関
表側正面には上層農家だけに認められた式台(身分の高い客人用の玄関)が構えられ、クチノマが出入りに利用され、庄屋屋敷に相応しい格式となっている。式台は、もともと武家住宅において身分の高い来客を迎えたり、草履などを履かずに駕籠に乗るための板張りの部分で、いわゆる表の玄関に設けられていたものである。
土間から広敷・クチノマ・座敷を見る。
土間から広敷・クチノマ・座敷を見る。
広い土間と広敷(ひろしき)があり、その奥には外部に式台を構えたクチノマ、床の間を備えた八畳の座敷が見える。広敷(ひろしき)とは、土間に面して設けられた板式の広間のこと。囲炉裏が復元されている。
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クチノマから土間を見る。
クチノマから土間を見る。
タタミ敷きのクチノマ左手に式台があり、玄関となっている。差し鴨居も大きい。土間には大戸が復元され、右奥も土間に復元されたが、全体の調和を保ちつつ、モダンな内装となっている。その一部には茅葺屋根の屋根裏で囲炉裏の煙に燻されて美しく変色した煤竹が再利用されている。
座敷のしつらえ
座敷のしつらえ
縁側は北側に面しているため、明るさを考慮し、障子ではなくガラス戸とし、江戸時代のものをそのまま使っている。床の間には障子窓、床脇には違い棚と天袋が設けられ、格調のあるしつらえとなっている。
屋根裏の構造
屋根裏の構造
小屋組みを再構築し、棟木とサスを残す。垂木の位置は、元の茅葺きの厚み分を控えている。中央あたりに見える鉄の鎖は、茅を葺く時の命綱であった。床下には、断熱材として敷かれていた土をそのまま残して床板を貼っている。
辻本家主屋全景
辻本家主屋全景
周囲には、門構えのある大きな屋敷が立ち並び、歴史的な街並みが残っている。元は茅葺であったが傷みが激しく、2014年の改修で茅葺型銅板葺とし、天窓や船舶の丸窓を利用した明り取りが設けられた。
庭から辻本家主屋北側を見る。
庭から辻本家主屋北側を見る。
長屋門から庭をはさんで主屋となる。主屋北側(表側)は、マヤ・土間・広敷・クチノマ・座敷となり、南側(裏側)はカマヤ・ダイドコ・ナンドという平面配置であった。2014年に行われた改修工事により、主屋の表側(北側)は建築当初の形式に復元され、裏側は現代の生活スタイルにあった住みやすい間取りに改変された。
式台を構えた玄関
式台を構えた玄関
表側正面には上層農家だけに認められた式台(身分の高い客人用の玄関)が構えられ、クチノマが出入りに利用され、庄屋屋敷に相応しい格式となっている。式台は、もともと武家住宅において身分の高い来客を迎えたり、草履などを履かずに駕籠に乗るための板張りの部分で、いわゆる表の玄関に設けられていたものである。
土間から広敷・クチノマ・座敷を見る。
土間から広敷・クチノマ・座敷を見る。
広い土間と広敷(ひろしき)があり、その奥には外部に式台を構えたクチノマ、床の間を備えた八畳の座敷が見える。広敷(ひろしき)とは、土間に面して設けられた板式の広間のこと。囲炉裏が復元されている。
広敷から土間側を見る。
広敷から土間側を見る。
木材は湿地帯という土地柄のせいか、傷みが激しく、大黒柱は新たな部材を使用、牛梁は似たような成を持つ新しい部材を継ぎ加工している。百年以上の歴史を持つ黒く艶のある木材に比して、新たに使用した部材は意図的に塗装色が控えられている。
クチノマから土間を見る。
クチノマから土間を見る。
タタミ敷きのクチノマ左手に式台があり、玄関となっている。差し鴨居も大きい。土間には大戸が復元され、右奥も土間に復元されたが、全体の調和を保ちつつ、モダンな内装となっている。その一部には茅葺屋根の屋根裏で囲炉裏の煙に燻されて美しく変色した煤竹が再利用されている。
座敷のしつらえ
座敷のしつらえ
縁側は北側に面しているため、明るさを考慮し、障子ではなくガラス戸とし、江戸時代のものをそのまま使っている。床の間には障子窓、床脇には違い棚と天袋が設けられ、格調のあるしつらえとなっている。
屋根裏の構造
屋根裏の構造
小屋組みを再構築し、棟木とサスを残す。垂木の位置は、元の茅葺きの厚み分を控えている。中央あたりに見える鉄の鎖は、茅を葺く時の命綱であった。床下には、断熱材として敷かれていた土をそのまま残して床板を貼っている。
名称 辻本家住宅主屋/つじもとけじゅうたくしゅおく 所在地 大東市御領 TEL/FAX HP E-mail 建築年代 江戸 天保1年~明治1年/平成24年改修 1830~1868/2014改修 建物種別 住居 構造 木造平屋建、鋼板葺一部瓦葺 概要説明 旧の御領村は、河内を代表する水郷地帯であり、一部には歴史情緒ある街並みが残っている。江戸時代に新田開拓のために作られた御領水路は、現在は「せせらぎ水路」として整備されている。辻本家は、集落内の敷地中央に北面して建つ民家。寄棟造、茅葺型鋼 板葺 (元は茅葺)で、桟瓦葺の下屋を廻らせる。内部は東寄りを広い 土間 とする。床上部の前列は東から板の間(広敷)、六畳(クチノマ)、床を備えた八畳(座敷)とし、六畳前面に式台を構える。庄屋を務めた旧家の格式を伝える民家である。2014年に行われた改修工事により、主屋の表側(北側)は建築当初の形式に復元され、裏側は現代の生活スタイルにあった住みやすい間取りに改変された。
文化財種別 国登録有形文化財 イベントリンク 見学 見学不可 備考 ※年1~2回大東市主催の見学会あり。大東市HPでご確認ください。 
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