鴉宮のある大阪市此花区伝法は江戸時代には淀川の支流である
中津川の河口に位置し、大型の廻船が頻繁に発着し、大坂の中心部
及び京都、奈良へ向かう小型船との中継点として栄えた場所
です。鴉宮は鎌倉時代の建保3年(1215)順徳天皇の御代に港
を築き、海上安全と交通の便利を図り天照皇大神・住吉大神・恵美
須大神を祀り、地方の隆盛を祈願したのが起こりとされます。
稲荷社は一間社流造で豊かな細部意匠を持ち、本殿は昭和初期
の神明造。拝殿は切妻造、彫刻付蟇股(かえるまた)、雲龍彫刻
など華やかな意匠が美しい。国登録有形文化財。 |